「ぶふぉっ」
莉奈さんの言葉を聞いて、まるでコントの様に口からチキンライスが飛ぶ
急いで、テーブルに落ちた米粒を拾い上げて、お手拭で吹き上げる
「なにっ? いきなり!?」
「だって、この前会った時と何かが違う」
「髪が...伸びた」
「違う」
「ファンデーションをリキッドに変えた」
「違う」
「――」
「やっぱり、恋ね」
私の微々たる変わり様を全否定して、何かを核心した様に、大きく頷いた莉奈さん
その姿を茫然と見つめる
「で?」
「え?」
「誰?」
「え?」
「教えなさいよ」
尚もテーブルを拭き続ける私に詰め寄る莉奈さん
可愛らしい顔なのに、こういう時はものすごい悪戯っ子みたいな顔になる



