「はぁ...」
文字だらけのパソコンを頬杖をつきながら眺める
気を抜くと思わず出る溜息は、どういう意味なのか自分でも分からない
チラリと大西主任のデスクを盗み見るが、今日は会議の為、出張で1日帰らないみたいだ
「はぁ...」
再び出た大きな溜息
ここ最近毎日会っていたからか、1日会わないだけで凄く寂しく感じる
早く明日にならないかな。
そんな事を思っていると
「お久しぶりでーす」
突然、後方の扉が勢いよく開いた
その突然の出来事に、声も出さずにその場で飛び上がる
「あれ? もしかして花音?」
そんな声と共に、カツカツとヒールの音が響く
バクバク煩い心臓を押さえて後ろを振り返ると、見覚えのある人が立っていた
「莉奈さん!!」
「あ~やっぱり、花音。お疲れ様」
入口に立っていたのは、義理の姉でもあり
お兄ちゃんのお嫁さんでもあり
私をここに就職させてくれた、張本人
莉奈さん
「久しぶりです! どうしたんですか?」
「近くに用事があったから、寄っただけ~。はい、これお土産。みんなで分けてね」
勢いよく椅子から立ち上がって駆け寄った私に、ニッコリ笑って大きなケーキの箱を渡してくれた莉奈さん
今日も見惚れてしまう程可愛い



