――ん? おおにし、けいた?
大西圭太。
どっかで聞いた事ある様な...無い様な..
昨日見たテレビの芸人さんかな?
いや...友達にいたっけな
大西...大西
まるで呪文の様に、その名前を頭の中で繰り返す
すると、徐々に浮かんでくる1つの真実
「――っ!!」
その瞬間、ヒヤリと背筋が凍る
大西圭太。
その名前が書かれた名刺を記憶の中でぼんやりと思い出す
この式場に就職が決まった時、家に届けられた封筒の中に入っていた名刺の主
「あの....もしかして」
「ん? どした?」
「大西主任...ですか?」
語尾は確実に震えていた
きっと足も震えていた



