「・・・銀太、みんな食事中、座ってろ」
鶴の一声じゃなく
総長の一声
銀太はぶつぶつ言いながら違うピザを選んで席に着いた。
「桜もあまり銀太にちょっかい出さないの!」
うぇ!?
お灸を添えられた。
「・・・(棒読み)ごめんなさい」
「桜!棒読み!直す気ないでしょ?」
「・・・」
「ふふ、愉快ですね。」
今までピザを選んで静かだった心奈ちゃんが笑い出した。
「どうしたの?」
「いえ、獣王の皆さんがこんなに面白いお方達だとは思いませんでした。」
「面白い?」
あたしの中ではこれがいつもの光景、倉庫ではもっと酷いときもある
寧ろ今日は、あたしが動けないから治まっているようなものだ。
「獣王と言えば、そこら辺のちんぴらも逃げてしまうような方々です。それを手なずける桜ちゃんはやっぱり凄いですわ」
そんな、キラキラした目で見られても
「・・・・もっと酷い方でしたら、いろいろな方法でこの街から追い出したんですけど」
ん?まてまて
物騒な言葉が聞こえたような
「桜ちゃんは、獣王に必要みたいですわね」
「あぁ、桜は俺たちには必要だ。だから心奈ちゃんが追い出してもどんな手段を使ってでも、俺たちは桜を見つける」
「・・・・(ボソッ)敵いませんわね」
「ん?心奈ちゃんなんか言った?」
「いいえ、桜ちゃん私そろそろ帰ろうと思うのですけど・・・。」
壁に掛かってる時計を見ると
もう11時を指していた。
「うっそ!もうこんな時間!?だれか心奈ちゃんを送ってあげて」
「あの!」
「どうしたの?」
「できれば、玲慈さんに送ってもらいたいんですけど・・・。」
「だって、玲慈、ちゃんと心奈ちゃんを送ってあげるのよ?」
急な指名に驚いている玲慈をソファーから立ち上がらる。
「・・・玲慈さんごめんなさい、」
「いや、いいけど」
心奈ちゃんは申し訳なさそうに玲慈を見ている。
「それじゃ、心奈ちゃん気を付けて帰るのよ?玲慈は狼になっちゃだめだからね?」
「狼になんてならねぇよ!」
「ん。じゃあまたね、心奈ちゃん」


