「今さっき、誰と話してたの?」
ひと騒ぎした後、シャワーを浴びてきた実里は先ほどの疑問を康太に投げかけた。
「あー、ミノリの携帯が鳴ってたからさ。」
「出たの?」
問うと、それがどうした?といった顔をする。
「アキってミノリの友達だったから出たよ。今日の予定のことだった。俺も一緒に行くよ。」
冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターを飲むと、そう言ってミノリの髪をクシャクシャっとする。
「ミノリって髪がめちゃくちゃ綺麗だよな。」
褒めながらぐしゃぐしゃにするんですか…。
「中学生の時さ、ミノリの後ろ姿見るの好きだった。」
「後ろ姿?なんで?なんか顔を見たくなかったとか?」
不思議に思った実里が問いかけると、ククッと低く笑った康太はミノリの体を抱き寄せた。
「ミノリが俺から逃げてたんだろ。
俺をみるとどっかに行ってしまう。だから後ろ姿だったんだ。」
見上げると、康太は笑顔だ。
そうだ。
あたし、あの頃ひたすら逃げてたんだっけ。
康太を見るのが辛くてひたすら背中を向けてた。
…その背中を見るのが好きだったなんて。
「もぅ…負けるなぁ。好きよ、康太。」
めいいっぱい背伸びしてもなかなか届かない康太にキスを贈る。
「年上でもいいの?」
「ミノリは年上に見えない。」
…小さいからかっ、と言いたかったけれど。
本当に小さいから、反論しない。
「幸せになろうな、ミノリ。」
お姫様抱っこされて囁かれて。
もう、嬉しくて死んじゃいそう。
ひと騒ぎした後、シャワーを浴びてきた実里は先ほどの疑問を康太に投げかけた。
「あー、ミノリの携帯が鳴ってたからさ。」
「出たの?」
問うと、それがどうした?といった顔をする。
「アキってミノリの友達だったから出たよ。今日の予定のことだった。俺も一緒に行くよ。」
冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターを飲むと、そう言ってミノリの髪をクシャクシャっとする。
「ミノリって髪がめちゃくちゃ綺麗だよな。」
褒めながらぐしゃぐしゃにするんですか…。
「中学生の時さ、ミノリの後ろ姿見るの好きだった。」
「後ろ姿?なんで?なんか顔を見たくなかったとか?」
不思議に思った実里が問いかけると、ククッと低く笑った康太はミノリの体を抱き寄せた。
「ミノリが俺から逃げてたんだろ。
俺をみるとどっかに行ってしまう。だから後ろ姿だったんだ。」
見上げると、康太は笑顔だ。
そうだ。
あたし、あの頃ひたすら逃げてたんだっけ。
康太を見るのが辛くてひたすら背中を向けてた。
…その背中を見るのが好きだったなんて。
「もぅ…負けるなぁ。好きよ、康太。」
めいいっぱい背伸びしてもなかなか届かない康太にキスを贈る。
「年上でもいいの?」
「ミノリは年上に見えない。」
…小さいからかっ、と言いたかったけれど。
本当に小さいから、反論しない。
「幸せになろうな、ミノリ。」
お姫様抱っこされて囁かれて。
もう、嬉しくて死んじゃいそう。