ある日の午後、
那由太さんが病室にやって来た。
いつもだったら2人で来るのに。

那由太さんがひとりで来る。
それだけのことにも淡い淡い
期待を抱いてしまう自分が嫌だ。

那由太さんは素敵な柔らかい笑顔で、
那由太さんにとって愛しい人の名前を
愛しそうに呼んでこう言ったんだ。