黙々とご飯を食べながら…、チラリと、セナくんの顔を覗く。
整った鼻筋…
涼しげな…瞳。
誰もが羨むようなこの人のとなりで、ご飯を食べてるだなんて……
例え、庶民のじゃこ御飯だろうと、贅沢な…ランチだ。
こんな所、誰かに見られなどしたら…それこそ、大騒ぎなんだろうなあ…。
「……安心しろよ。」
「……へ?!」
しまった!声に…出てた?
「ここは、校舎からは死角になってるし、ほとんど人通りもない。誰かに見つかることは…まずない。でなきゃアンタがここにいるはずもない。」
「あ、そう。」
つまり、見られたくないからって訳ね。
セナくんは、どこから取り出したのか…。
本を片手に、パラパラとそれを…読み始める。
その耳には……イヤホン。
完全に、くつろぎモードだ。
「ねえ……、随分くつろいでるけど、よくここに来るの?」
「……………。なに?」
「だから、よくここに来るの?!」
「…………………、…。」
無視か!
感じ悪いな。
「………ねえ。」
「……………。」
「ねえってば。」
「うるさいな、だから……何?」
「アンタが飲んでるソレ…何?」
「……ストレートティー。」
「…………!セイロン?アッサム?!」
「は?知らない、表示見ろ。」
ぶっきらぼうに差し出した缶を受け取って。
じっくりと…目を通す。
「……セイロンだ!!ねえ、一口貰ってもいい?じゃこ御飯には、セイロンが合うかどうか!」
「……自分で買ってきて飲め。」
彼は私の手から…缶を奪い取る。
「一口くらいいいじゃない。ケーチ、天才の名に傷つくよ?あ…、それとも……、間接チューになるのを気にしてるんだ?」
「………ご飯を食べた途端、いよいよ本領発揮か。」
「このくらい、力となんてしょっちゅうだし、全然気にすることないのに……。」
途端に、
セナくんは私の両頬を掴んで。その手を、思いきり…引っ張る。
「痛い……イタタタ…、ごめん、調子に乗った……い~た~い~………!」
なんて…、容赦ないの!
「3馬鹿と一緒にするな。」
最後にべチンっと……、ひろーいおデコに、デコピン!
「はーい……、スミマセン。」
じんじんする頬を擦りながら…私は、頭を下げる。
「セナくんも…食べる?」
「要らない。」
「じゃこだし、頭良くなるよ?」
「これ以上どう良くなれと?」
「………。じゃあ……、カルシウム不足のイライラに。」
「イライラさせんのはアンタだ。」
「………………。」
ホント…、こんなに相容れない相手だっていうのに…何で一緒にいるのさ。
よく……分からない人。
だけど……、ずっと隣りに居てくれるんだね。
私が食べ終わるのを…待ってくれているのかな?


