「じゃあ、行ってきます。」
「……え?!もう行くの?!」
「………。何を悠長にしてるのか知らないけど、時間くらい、確認しておけ。」
「え。」
壁掛け時計を……見上げると。
まだ、ほとんど食べていないのに。
身支度だって、済ませてないのに…
いつもの……登校時間!!
「の……、NO~!!!!!」
「馬鹿ね、よそ見ばかりしてたべてるから……。」
母は呆れた顔して、出しかけたコーヒーを…
引っ込めてしまった。
急いで準備をして、髪も結わずに……玄関まで猛ダッシュしたけれど。
「セナくんは?!」
「もう行ったけど?」
「チッ……間に合わなかったか…。」
こっそり…後について、登校するつもりだったのに……。
時、既に…遅し。
「……あ。セナくんと倉橋くん、お弁当置いて行っちゃったから…アンタ二人に届けてくれない?」
こ……これは……!!!
「もちろん!……任せといて!」
私は、パンパンに膨らんだ鞄をもって…
上機嫌で、学校までの道のりを……
歩いたのだった。


