俺は家で軽く演奏して合わせてみた音源が入ったipodを高橋に渡した。



「ありがと、聞いてみるね」



高橋が音源を聞いている間に歌に合った歌詞を白いルーズリーフに書き出し始める。


最初は何も浮かばなかったが、立花へ伝えたい気持ちや自分の今までの感情をキーワードで書き記した。

書いても書いても止まらない立花への想い。



ふと、ある一文が俺の頭の中をよぎった。




『君の存在がどれほど僕を支えてくれた』




浮かんでは消え、浮かんでは消える立花の笑顔。


俺を支えてくれていたのは紛れもなく立花だった。

それから途切れることなくあふれ出す文。



『言葉じゃ足りないくらいに』




俺の想いを絶対に届けよう。


必ず立花に。




『伝えきれないこの恋の行方を本気の歌で届けてみせるよ』






「橘君!!これ最高!!!」







高橋が興奮しながら立ち上がったのは俺がサビの部分の歌詞を書いている最中だった。