数十分たっても圭介の電話は終わらない。
次第に高橋がイライラし始めた。
俺と立花で抑えつつ、やっと電話が終わったと思うと圭介からこの一言。
「わりぃ。・・・充電切れた」
「はぁ!?」
高橋は圭介から携帯を奪い、何度も起動ボタンを押す。
しかし反応はない。
「ちょっと・・・!まだ現状伝えてなかったのに充電切れたら何も言えないじゃん!」
「・・・わりぃ」
「最悪!」
これで俺らの連絡手段はなくなった。
今夜はこの屋上で過ごす事になりそうだ。
「少し寒いんだろ?俺暑いくらいだから上着貸すよ。ほら、圭介も貸してやれ」
「・・・おう。ごめんな高橋」
立花は俺から上着を受け取るとこくりと頷いて軽いお礼をしてくれた。
反対に高橋は「当たり前」と言って圭介から上着を奪ってその場に寝ころぶ。
「立花も高橋の隣に寝とけ。なんかあったら起こすから」
「・・・」
立花は頷き、高橋の隣に寝ころんだ。
二人は少し疲れたのかすぐに眠りに落ちた。
気付くと時間は21時。
「急に静かになったな圭介」
「いや、まぁな。・・・高橋の携帯だけが頼りだったのに俺のせいでこんなことになっちまったし」

