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「おまたせー!はい!これ桔梗の分♪」


「・・・♪」


立花と高橋はあれから見事友達になった。

友達になるのに言葉はいらない。まさにその通りに。




そして、最近は俺ら四人組でよく昼休み屋上にのぼりご飯を食べている。


不思議なメンツだけど、何故かそれが心地いいとまで思ってしまう自分がいるから驚きだ。



この四人で一緒にいるのももう一か月はたっているだろう。

今はもうすでに五月の中旬だ。




「あのさ、俺まだ疑問残ってるんだけど」


「んー?」


「高橋はなんであんなにも立花に言い寄ってた圭介じゃなくて、俺ばっかに近づくなとか言ってきたんだよ」


「・・・あー」



高橋は買ってきたりんごジュースを一口飲んで、俺にこう言った。



「なんか小沢君はただの馬鹿に見えて、あんまり桔梗には相手にされないだろうなぁって思ったから言わなかっただけ。それに比べて誰からも好かれる橘君は危ないかなって」


「ちょ!高橋なんだよそれ!!超ひでぇ!」


「本当の事だししょうがないでしょー」


「いや、俺馬鹿じゃねぇから!」




高橋と圭介の言い合いは意外にテンポが合っていて、立花も最近よく笑うようになった。



もちろん未だに声は聞いた事ないけど。