「この世界かぁーらぁー!
 ……んー…ビミョー!」


 歌いながら作曲してんの…?

 一人称、ぼくにすればよかったかも…。

 悪いことしたなぁ…


「ごめんね…」


 ぽつりと呟く。


「何が?」

「―!?ぇ、聴こえてたの?!」


 振り向かずに言う光。

 結構はなれてるのに…地獄耳?


「当たり前だろ。
 …つか、入ったときから気付いてた」

「えぇ?!ちょ、もぅ…言ってよ!!」

「言う必要ねぇかと思って。
 でもま、お前がいてよかったと思うけど」

「え…」


 何…?

 いつもはそんなこと言わないくせに…。


「歌うの藍架だし。
 やっぱ本人いたほうがやりやすいじゃん?」


 !?


「あ、あたしが歌うの…?!」

「当たり前だろ。
 お前が書いたんだからさ」


 そんな…光が歌うって思ってたのに…っ。

 あ、でも…光はどうするんだろ。


「光は何すんの?!」

「この歌のときだけギターやる。
 お前がヴォーカルだからな!」