「くっ…あはは、変なの!
 気にすることないのにっ」

「うっせぇな…早く行くぞ!」


 怒った光に従って、足を進めた。

 光は涼たちにからかわれて、耳まで赤いのが見えた。


「瀬戸くん、我が息子を頼んだよ」


 そう、ウインクまでされて、笑いながら頷いた。

 そのときのあたしは、光が背負っているものの半分さえ知らなかった。

 勝手に、全てを知った気でいたんだ。

 君は器用だから、全然気付いていなかったんた。

 そのしかめっ面に隠された、真実を…。