「あ、あの時のお礼、ちゃんと言えなくてごめんなさい。……ずっと言いたかったけど言えなくて……あの時はありがとう。」
目を瞑りながらそう言うと、頭に優しい手が降りた。
「そっか。…俺さー、キミのこと待ってたよ」
なんて、淡淡と言うから思わず頬が熱くなった。
「……ま、待って……?」
「ふっ、いつ来るかなーって…何か勝手に思ってた。」
何でだろな。と一条くんは笑った。
一条くんがあたしのこと待ってたなんて……
自惚れかもしれないけど…素直に嬉しい。
そうだ。今なら一緒に写真撮ってって言えるかも知れない。
こんなおかしな状況だけども。
「あ、あのっ、一条くんっ!」
「……ん?」
「えっと、あの……一緒に、写真……」
そのときだった────
保健室のドアが乱暴に開けられ、ズカズカとベットに近づく足音。
現れた人物は……

