「芽衣、帰ってたのか。」


振り向くと、お父さんが……



「お父さん、帰ってくるの早くない?」


いつもなら夜遅いのに、今お昼過ぎだよ……



「あなた、もう話した方がいいんじゃない?」



「……そうだな」


お父さんもお母さんも何のこと?




「……芽衣、ちょっとこっちに座りなさい。」



いつになく真剣なお父さんに手招きされあたしはソファーに腰をおろした。



え、なに?も、ももも、……もしかして、り、りりり、りリストラされたとかぁ?




「芽衣、実は」



────ゴクリ




「お父さんが経営してるブランドが海外に拠点を移すことになってな…」




────ゴクリ





「……ここを引っ越すことになった」




────はい?