「え?マジで!?」
その瞬間、慶樹くんの顔がパァっと明るくなった。
確かに、神矢はいいヤツだし悔しいけどかっこいい。
みんなに王子様だって言われるのだってわかる。
でも、正直あたしのタイプじゃない。
それにあたしは……
「好きな人いるから。」
そう、真剣に慶樹くんを見つめて言った。
ここでケジメつけなきゃと思った。
このままズルズルいくのは好意を寄せてくれている慶樹くんに失礼だから。
しょうがないと分かっていても、本当はこうして部屋に連れてくるなんてことするのはダメだって分かってる。
あたしはバカじゃない。
今までそれなりに遊んだし男がどんな生き物かぐらいわかる。
変に期待してもらいたくない。
変に期待させられて落とされる
そんな気持ちはあたしが一番知っているから。

