「え…あ、ごめん。先生たち戻るまでここで我慢してね…」
しょうがないいと言いつつも、慶樹くんにはすごく迷惑だったよね…
そう、あたしも俯くと
慶樹くんは小さく声を漏らした。
「……やっぱり、聖と会う約束してたんだ。」
……え?
会う約束?
「……何それ?そんなのしてないけど」
何で、神矢と夜な夜な会わなきゃ行けないのよ
なんて、思っていると慶樹くんは真剣な瞳であたしを見つめた。
「スキーのとき、理沙ちゃん聖のこと連れてったじゃん。」
スキーのとき?
神矢を連れてったって……
それは芽衣の話を……
「……正直に言ってよ。理沙ちゃん、聖のこと好きなの…?」
「……は?」
あたしが神矢のこと好きだって?
「……ありえないんだけど。」
自分でもびっくりするぐらい低い声が出た。

