「おい、誰かいるのか〜?」
先生の声がすぐそこまで聞こえる。
あたしは慶樹くんの手を引いて必死に走った。
「ちょ、理沙ちゃん!ここ女子の階!!」
「わかってるわよっ!あそこに居たらバレる!!」
慌てる慶樹くんなんてお構いなしに女子の階に戻ってきた。
女子の階の先生まで部屋から出てきて何か先生同士で喋っている。
もう、しょうがない。
「ほら、早く入って!!」
「えっ!?」
驚く慶樹くんの背中を押して自分の部屋に入った。
「え?理沙ちゃん!?」
「しょうがないでしょ。あそこで二人見つかったらどんな説教されるかたまったもんじゃないわっ!」
それより芽衣…大丈夫かな。
ドカッとソファーに座る。
だけど、慶樹くんはドアの前で俯いたままだった。

