「……もう、これで最後にするから」



ジッと見つめてくる芽衣にオレは目をそらした。



「ほら、もう帰れ。熱出ても知らねぇよ。」


ワザと話を逸らして芽衣に傘を押し付ける。



「……神矢く……」



何か言いたげな芽衣を置いてオレは学校を出た。



何でだよ……

芽衣には零士がいるじゃねぇかよ。



もう、何も言わず奪ってしまえばよかったのに。


そう出来なかったのは、零士と同じことをしてしまう気がしたからだった…