「……こんなのおかしいよ…!神矢くんはこんなことしない!あたしの嫌がることなんてしない…!」
涙を耐えてそう訴えると、神矢くんは切なげに笑った。
「お前をオトしてこうするための嘘に決まってんだろ。」
掴まれた両腕が痛い。
でも、それよりも……胸がキューっと痛いんだ。
どうしてそんなバレバレの嘘、ついたりするの?
「違う。違うよ!!あたしの知ってる神矢くんはイジワルだけど優しくて、いつも守ってくれたもん!」
あたしのその言葉に神矢くんの瞳は揺らいだ。
「バカじゃねぇの?オレはお前が思ってるようなヤツじゃねぇんだよ。オレは汚ねぇ、最低な男なんだよっ、」
そう言った神矢くんは荒々しく噛み付くようにあたしの唇を奪った。
「っ…んんっ!」
苦しくなって開いた口から神矢くんの舌が入ってくる。
身体に全く力が入らない。
あたしは抵抗出来ずにただ、唇をあわせ続けることしか出来なかった。

