「か、神矢、くん…?」
「ったく、お前。オレがどんだけ心配したと思ってんの。」
耳元から聞こえる声は、いつもと同じ優しい神矢くんの声だ。
「ご、ごめん…ね。ど、同居、バレちゃって。」
「たまたま、お前がアイツらに連れて行かれたの聞いて探し回った。相川も…零士もお前のこと探すの手伝ってくれた。」
理沙と……零士くんも?
「そ、そうなんだ……ごめんね。心配かけて。あたし、今から宮本さん追いかけてくる。宮本さんも色々あってあんな感じだけどちゃんと話をしたら…」
「追いかけなくていい。ほっとけ。」
神矢くんはより一層、抱きしめる力を強めた。
「でも、他のみんなや先生にバレたら…」
「…お前を守れねぇんだったら同居なんて隠す必要なんてねぇよ。」
神矢くん…
「守るって言ったろ。お前のこと。」
『これからは…オレがちゃんと守ってやるよ。』
三浦先輩に襲われそうになったときのこと。
結局は零士くんが助けてくれたんだけど……あの日、神矢くんはそう言ってくれた。
覚えてくれてたんだ……
あたしは胸を熱くさせた。

