『4時半になりました。これをもちまして模擬店は全て終了となります。一般来場者のみなさまはすみやかにご退場ください。』
この声は……零士くん!?
この放送に気を取られ、男たちが動きを止めたとき
空き部屋の扉がバンッと音を立てて開いた。
空き部屋に入って来たのは……
「どうして、聖がっ!?」
宮本さんがそう驚く。
空き部屋に入って来たのは神矢くんだ。
息を切らしてやってきた神矢くんは部屋を見渡してあたしの近くまでくると…
ドスッ、と鈍い音を立ててあたしに跨っていた男を殴った。
「テメェ、何コイツに手ぇ出してんだよ?あ"?ブッ殺されてぇの?」
まるで、何かが切れたように。
いつもと目が違う……
ドスの効いた低い声に身体が震えた。
こんな神矢くん、見たことない。
「ち、違ぇよ!!オレはあの女に言われたんだよっ!オレらは知らねぇ!!」
そう、宮本さんを指して言った男たちは走って逃げて行った。
残された、宮本さんたち女子。
「おい、お前。どーいうつもり?」
神矢くんのその声に肩を震わす宮本さん。

