「そんな綺麗事…っ。何、ボーッとしてんのよ!早くこんな女、ボロボロにしてっ!」
宮本さん…泣いてる……?
そうだよね。あたしだけが神矢くんの近くにいれて……ズルいよね。
本当に好きなんだ……
あたしだって好きな人がいるからわかる。
「宮本さ……────」
男の腕を振り払って、宮本さんの元へ行こうとしたとき……
羽交い締めしている男がいきなり後ろに重心を落とし、一緒にソファーに倒れ込む。
そんなあたしの上に跨るもう一人の男。
「……な、に…」
頭がついて行かず混乱状態。
「何って、この状況でもわかんない?」
余裕そうにそう、笑う男。
「や、離れて……」
怯えて上手く声が出せない。

