同居をやめる。
でも、契約終了にはまだ日がある。
あの契約は破棄出来ない。
あたしは宮本さんの目を見つめた。
「その条件は聞けない。あと、少しなの!!あと少しで終わるからお願い…お願いします。黙ってて。」
頭を下げると、宮本さんが離れて行くのがわかる。
「わかったわ。」
その声にあたしは頭をあげる。
「え?本当!?」
すると、宮本さんが口の端をあげて微笑む。
「聞けないって言うなら仕方ないわ。……バカなあなたには痛い目あってもらうしかわからないのね?」
……え?
「どういうこと……?」
そのとき、ガラガラ────と空き部屋のドアが開いた。

