「はい、ここ座って。」
零士くんに言われるがまま、あたしは体育館に並べられているイスに座った。
すると、ブーという機会音が流れ何やら劇が始まった。
「3年生の劇、すごく面白いから。」
零士くんはそう言って、ニコッと微笑んだ。
なんだかその笑顔に癒されて、あたしも自然と頬が緩む。
あたしも零士くんと同じよう劇に見入った。
「ありがとうございました!!」
創作の劇が終わり、3年生の先輩たちは舞台からお辞儀をして幕が閉じた。
「ね、面白かったでしょ?」
「うんっ!最後のところとか感動した!」
あたしがそう笑うと、零士くんも笑ってくれて……
「泣き顔、より笑顔の方がずっと綺麗だよ。」
零士くんは、ボソッとそう呟いて
また、あたしの手を握った。

