放課後、何気なくA組を通ったら芽衣がまだ教室にいてオレは足を止める。
カバンに教科書を詰め終わった芽衣はパッと顔を上げ視線がぶつかった。
驚いた表情のアイツは何事も無かったかのように目線を逸らした。
あのヤロー、ふざけんなよ。
オレはガツガツと教室に入って行き芽衣の机の前で立ち止まった。
「お前、無視してんじゃねぇよ。」
「べっ、別に無視したわけじゃ……」
芽衣は俯くばかりでまともに顔を見ようとしない。
もうちょっと、お仕置きが必要か?
なんて、思っていると芽衣が口を開いた。
「な、何でここに…?」
顔を上げた芽衣の、そのまっすぐな瞳に危うく吸い込まれそうになった。

