「ん〜、まぁそんな感じ。」
ハルさんもふふっと笑っている。
き、きき…キスをそんな感じって
簡単に言わないでよ!!
あたしの頬に片手を添えた神矢くんは熱っぽい瞳で見つめてきた。
あぁ、この瞳。
この瞳に見つめられたら……なぜか動けなくなる。
抵抗したいのに……できない。
徐々に迫る神矢くんの端正な顔。
「まっ!……待ってっ!」
あたしは両手を神矢くんの口の前に持って行き唇が触れる寸前で止めた。
「…ぶっ、何焦ってんの。オレとキスなんかしたことあるだろ。」
「…っ//い、言うなバカっ!」
キス、なんか…じゃないよ。
そう、簡単に言わないでよ。
「で、出来るわけないでしょ!好きな人以外とキスなんか出来ないよっ!気持ちがなきゃ……意味ないよ。」
誰にだってキスできる神矢くんには分からないんだ。
……あたしの気持ちなんて。
「……お前」
顔をあげると何とも言えない表情をした神矢くんが……!
ハッ!やってしまった………!!

