「フッ、珍しいな聖。やっぱり本命は違うってか?」
ハルさんは、フッと意味深に微笑んでお茶を一口飲んだ。
「…うるせぇな。お前がコイツをたらしこむからだろ。」
「本当にそれだけ?……でも、なんかさぁ、二人付き合ってるって感じしないよな〜。余所余所しいし?」
────ギクっ!
「…んなわけねぇだろ。」
神矢くんは何を思ったのかあたしの肩を抱き寄せた。
一瞬、驚いたけどこれも付き合ってるフリなら仕方ない。
「じゃあさ、二人の愛のカタチ的なん見せてよ。」
あ、愛のカタチぃ!?
付き合ってないのに愛のカタチなんて…
硬直するあたしをよそに、神矢くんはいたって普通に真顔だった。
「キスでもすれば分かってくれんの?」
なんて、少し不適に微笑み淡々に言う神矢くん。
き、キスでもすればって……
はぁああ!??

