慌てるあたしをよそに、神矢くんは堂々としている。
「じゃあ…部屋おじゃまして、帰るとするか。」
と、ハルという男の人はふふっと笑った。
「ねぇ、ちゃんと説明してよ!!」
ハルさんを部屋に招待し、ソファーでくつろいでもらっている間、お茶を入れに行く振りをして神矢くんをキッチンに引っ張り込んだ。
「 アイツは親父の部下。親父に何言われたか知らねぇけどオレのこと偵察しにきたんじゃねぇの。」
「……偵察?どうして?」
「オンナ遊びが激しかった頃、相当親父にキレられてよ。そっからハルが首突っ込むようになって。今日も 、お前が遊び相手っだってわかったら多分、親父は婚約者だの用意してくる。そんなのダリいだろ。」
まぁ、どっちにしろお前は遊び相手でも何でもねぇけどな。
と、付け加え神矢くんは言った。
「それで、あたしと付き合ってるって?」

