「ぶっ。おっ、おむすびころりんだって〜?ははっなにそれー!想像したら笑える〜戦時の子供、ぶっ」
「も〜!笑わないでよ!!…それでね────……」
足は擦り傷だらけで血まみれ。
通行人はあたしをガン見して去って行くだけだった。
そんなとき、上から声がして……
「血がでてる……」
しゃがんであたしの膝にキレイなハンカチをあてる端整な顔立ちの男の人。
「……靴下反対だよ?」
「……へっ!?」
慌てて足元を見るとマークがついているのが内側になっていた。
「ふっ、可愛いね」
「………へっ!?」
「キミ……同じ高校だよね。」
ブレザーについているエンブレムを見ると同じだった。
「遅刻しちゃう……行くよ!」
そう言った男の人はなんと、あたしをお姫様抱っこした!
「え!えっ……ちょっと」
「ちゃんと掴まっててね」
男の人のおかげでなんとか遅刻はまぬがれた。
「あの…始業式出なくていいんですか?」
お姫様抱っこされたまま保健室に向かう。
「ん?…キミの手当が先でしょ。」
と、にっこり笑ってそう言った。
────ドキッ!
なにこのスマイルは!!!

