「お、おもちゃ?」
おもちゃってあれだよね。
子供が遊ぶ道具だよね。
「ん。お前はオレのモノ、だろ?」
艶っぽい瞳をあたしに向けた。
認めたくないけど……少しだけ、ほんの少しだけ胸が音を立てた。
「なっ!何がおもちゃ!?いつ神矢くんのおもちゃになったのよ!!最低っ!」
「いつって……契約したその日からお前はオレのモノだ。」
なっ!
俺様発言?
何が、オレのモノよ!
心配して損した!!
こんな女ったらしの男のこと心配するあたしがバカだった。
そうだ。
神矢聖という人間はこういう人だったんだよ、最初から。
なのにいつもと違う一面見ただけで惑わされちゃって……あー、あたしって素直というかバカというか……
なんたって、神矢くんの掌で転がされてたなんて……
あたしも他の女の子たちと同じ。
少しは神矢くんに近づけたんじゃないかって思った自分がバカだった。

