「……え、?────き、きゃっ!?」
忘れていた。
神矢くんに抱きしめられていたこと。
あたしも流れにそって腕をまわしていたこと。
あたしは慌てて神矢くんから離れた。
「……ったくよ、お前は空気読めねぇのかよ。」
神矢くんはブツブツそんなことを言った。
なんだ……すごく落ち込んでるんじゃないかと思ったけどそうじゃなさそう。
「聖だけずりーよ。芽衣ちゃんオレもぎゅーして?」
相馬くんはニコニコ愛らしい笑みを浮かべて両手を広げて近づいてくる。
すると、肩をグッと引き寄せられた。
「これオレのだから。触らせるか、アホ」
────ドキっ
「か、神矢く…」
「これオレのオモチャだから」
……ん?

