もしかして…
泣いてるんじゃないかって。
そう考えると拒むことなんてできなくて
あたしは何故か、神矢くんの背中に腕を回していた。
ほんとは何か隠しているのか、それともいつもの気まぐれなのか……それはわからないけど
少しでも、神矢くんの力になれたら…
シーンと静まりかえった保健室。
聞こえるのはあたしの鼓動と神矢くんの鼓動だけ。
でも、そのとき。
ドタドタっと足音がして……保健室の扉が開いた。
「……聖〜遊んでねぇーで最後の試合ぐらい────……えっ!?」
軽い声が聞こえたと思ったら、そこには神矢くんといつも一緒にいる相馬くんがいた。
「……っ、お、お前ら何やってんの?」
少し照れたような引きつった顔で相馬くんは言った。

