───…先輩は、優しい。
初めてあったときもそうだったんだ。
入学当初、俺はまだもっさもさで、見るだけで暑苦しい奴だった。
そんな俺に、先輩は優しく声をかけてくれたんだ。
『なぁ、新入生だよな?
俺、東悟って言うんだ!
ここの三年!
よろしくな!!』
初めは先輩が弓道部なんて知らなくて、ただ入学式から帰る途中に会っただけだった。
だけど、仮入部にいったとき
『あ、この前の校門の子!』
先輩に再びあった。
先輩の袴姿はとても綺麗で、ついつい魅入ってしまったのを覚えている。
それから、俺の唯一の相談相手となった。
俺は付かず離れずな性格だったけど、先輩だけは違った。
天野のことを、たくさん相談した。
名前こそ伏せたが、先輩には何でも相談していた。
その先輩が、俺のこと────…


