ハッと我に返ると、澪人が心配そうにあたしを覗きこんでいた。


人嫌いの麻耶も、あたしにベッタリくっついている。


聖愛 「ううん、何でもない」


あたしが首を横に振ると、澪人が腰に腕を回して引き寄せてきた。


あたしは澪人の肩にトンっと頭を置き、嬉しそうに尚輝を見る夏帆を見る。


麻耶 「ズル…」


気のせいだよね…?


夏帆はそんな器用な子じゃない。


麻耶があたしと澪人を横目で睨んでいたけど、あたしの頭の中は真島夏帆でいっぱいだった。