【完】幼なじみは最強不良。〜special story〜

-樹 SIDE-


夜も更け、暗くなった人影もない橋の上。


冷たい風が吹きつける中、俺は一人でたたずんでいた。


聡 『何かあったら言えよ?』


聡の言葉が頭を廻る。


樹 「言えるかよ…」


あいつらを信頼してないわけじゃない。


ただ…何て言っていいかわからねぇんだ…。


それと男の変なプライドってやつ…。


親父は膨大な借金を作り、とっくに家を出ていた。


俺がそれを知ったのは最近のことだ。


母親はそんな借金を一人で返すために必死で働き、二人の幼い子供を育てていたなんて…。


それを知らず、俺は家に帰らず好き勝手やっていたんだ…。