息をすることが苦しい。 あれ、息するってこんなに苦しかったっけ? 大げさに肩を動かして必死に吸えなかった酸素を吸収する。 そんなあたしのことを色っぽい目で見つめてくる和穂。 ギロッと睨めばフッと笑って、潤んだ唇を手の甲で拭う。 何で…なんで… 「…何で…こんなこと…したの?」 あたしの全てを奴に奪われたようで腹が立った。 お仕置きだったはずの薬が、いつの間にか激しいキスへと変わっていた。 でも腹が立ったのはあたしだけじゃないみたいで。