しばらくすると寝るお母さん。 「帰って」 「ありがとうもなし?」 「…ありがとうございました」 なぜだろう、なんでこんなに悔しいんだろう。 お礼を言っただけなのに。 「家帰らなくてもいいの?」 「別にここも家だし」 ふーん、と返すナンパ男。 「送っていこうか?」 「だからもう今日はここで風呂はいって寝るから」 つまらなさそうな顔をする。 「…教えようか?」 「何を」 「俺が藪塚唯花を、 ナンパした理由」