試合後で疲れているはずの2人の表情は、晴れ晴れとしている。 それは言うまでもなく、県大会優勝したからだ。 「…あ、じゃあ俺先帰るわ」 「うん。お疲れ!」 「お疲れ。またな!」 「春木くん、バイバイ!」 春木くんは片手を上げて、重そうなエナメルバッグを肩に帰って行った。 「…さて、俺らも帰るか」 「うん」 私たちは並んで歩き始めた。