先生は私の背中をぐいぐいと押して、外に追いやる。 「ほら、もう暗くなるの早いんですから。早く帰りなさいね!」 「あっ…」 先生はドアをぴしゃりと閉めてしまった。 「…今日はだめかぁ…」 私は仕方なく、薄く積もった雪を払って、昇降口前の階段に腰をおろした。 はぁー…と息を吐くと、小さな白い雲がうまれる。 そして儚く、消えていく。 それを目で追いながら、私は、今日によく似た、幼い頃の冬の日を思い出した。