「よーっし、今までの分全部巻き返してやる!」 大翔くんの元気な声に顔を上げると、八重歯を見せて、真夏の太陽に負けないくらいの大きな笑顔を見せていた。 それにつられて、私も笑った。 「……あ、結子って、携帯持ってるっけ?」 「…え、携帯…?」 家に着き、鍵を開けて入ろうとしたら、大翔くんが言った。 「…も、持ってる、けど…」 「提出!」 「えぇっ!?」 私は、半ば強制的に自分の携帯を大翔くんに渡させられた。