私はとっさに首を横に振った。 「は、春木くんだって、幼馴染でしょ? もう少し聞いてみたら…」 「俺にも言えないようなことなんだよ。ね、頼む、西宮さん!」 「………」 春木くんが顔の前で手を合わせてそう言ったから、私は断れずに頷いた。 「…じ、じゃあ、近々…」 「ありがとう西宮さん!」 春木くんは明るい笑顔を私に向けると、「じゃあ」と言って教室を出て行った。