いつの間にか、雪合戦から大翔くんの夢の話になっていて。 「ぼく、日本一のピッチャーになるんだ!」 「日本一の、ピッチャー…?」 「うん! だから、毎日お父さんとおうちでキャッチボールやってるんだ!」 夢を話す大翔くんの横顔は、今でも憶えている。 すごくきらきらしていて、嬉しそうだった。 「がんばってね! わたし、おうえんするね!」 「ありがとうユウコ! だいすき!」 「うんっ! わたしもだいすき!」 大翔くんはこの時から、私のずっと先を歩いていたんだ。