大翔くんの投げる雪玉は、とても速かった。 「ヒロトくんって、どうしてそんなにはやく投げれるの?」 ある日、大翔くんに聞いたことがある。 「えー? はやくないよ!」 「はやいよっ! ねっ、ここから向こうに投げてみて!」 大翔くんは頷くと、雪玉をつくって向こうに投げた。 その雪玉は、やっぱり速くて、遠くまで飛んでいった。 わたしも真似て投げてみたけれど、全然飛ばなかった。