すると女の人の後ろから、重たそうなビニール袋を両手で持った、同い年くらいの小さな男の子が出てきた。 「……どうぞ…」 男の子はそのビニール袋を私に差し出すと、小さな声でそう言った。 「…あ、ありがとう…」 私もつられて声が小さくなった。 男の子は私に渡すと、すぐに女の人の後ろに隠れた。 「これ、前に住んでた所の特産品で…」 袋を覗いてみると、大きな野菜やフルーツがたくさん詰まっていた。