「……なにしてたんだよ。雪降ってんのにぼーっと座って。風邪引かれたら困るんだけど」 ………あ、ホントだ。 綿雪が、ふわふわと、ゆっくり冬の空から降っている。 それもやっぱり、すぐに溶けてなくなってしまう。 「………昔をね、思い出してたの」 「昔? …初めて会った時のこととか?」 「うん。それから今までずっと」 「へぇ…」 大翔くんは、隣で懐かしそうに冬空を見上げている。