大翔くんは歩きだったから、私は自転車を降りた。 見ると、大翔くんは練習着を着ていて、その肩には重たそうなエナメルバッグ。 「大翔くん、部活行ったの?」 私がそう尋ねるのと同時に、信号が変わった。 並んで信号を渡りながら、大翔くんは「あぁ」と言った。 「…高校の練習に参加させてもらいに」 「………っえぇ!?」 思わず、大きな声になってしまった。