それからしばらく歩き、本部に着いた。いつの間にか疲労が貯まっていたのだろうか、ときどき欠伸が聞こえてくる。
この間と同じ部屋を借りることになり、そこに荷物を広げた。これからどうするかは……まだ本当にわからない。取り敢えず寝たい。
「俺、寝るわ」
「変な時間ですけど、僕も寝ます。急に疲れがどっと来ました……」
「ふぁぁ~……おやすみなさい。皆さん」
「このまま誰も朝まで起きなかったりしてな」
荷物をいったん部屋に置いてから部屋の前で話し合う。それぞれなんとなくだらけた雰囲気が漂い、俺もこのまま布団に潜ればすぐにでも寝られそうだ。
部屋の中に入り鍵を閉める。そして、照明を落とすと身に付けていた備品を外しベッドに寝そべった。手を目にあててこめかみをほぐす。
とにかく疲れた。
慣れないパーティー、ロイの安否、シーナとの再会、トゥルーク王との対面。
いろいろと思うことはあったが、もうどうでもよくなってきた。終わり良ければすべてよし。こうしていても、明日は必ずやって来る。
「ふっ……」
俺は思わずにやけてしまった。明日のことを考える余裕などここ最近なかった。特にシーナが囚われていたときは……
気が抜けたせいか、俺はいつの間にか眠ってしまった。最悪な夢を見るはめになるとは知らずに────