―美樹彦side―



俺は今、芽衣と歩いている。



好きだと自覚してからいてもたってもいられなくなり、合唱コンに告白しようと決めた。





本当は純哉に言われる前から気づいてたのかもしれない。



芽衣が好きだっていう、自分の気持ちに。



だけど、そう思わなかったのは芽衣が宮下のことで辛いことを知っていたから。



俺の気持ちを伝えて芽衣を混乱させたくなかったのかもしれない、と今になって思う。




でも結局は芽衣に伝えるのが怖かったのかとも思う。




芽衣が嫌がらせをさせられている、と知ったときは許せなかった。



だから、俺が女達を脅した。



それから女達は何もしなかった。





心配で仕方がなかったんだ。



守ってやりたいと思った。










俺はきっと…





ずっと前から芽衣のことが好きだったんだ……








そして、今。



芽衣に話したいことがある、と切り出した。





「なーに?」



と、優しい笑顔で返してくれる。





こんなにドキドキするのも、緊張するのも、ぜんぶ芽衣のせいだ。