「わりぃ。今の俺にはお前を抱き締めてやることができねぇ」
とても、申し訳なさそうに俯いた。
でも、私が泣き止むまで、ずっと側にいてくれた。
素直に嬉しかった。
キーンコーンカーンコーン
授業終了のチャイムだ。
龍太は立ち上がり、
「ごめんな、伝えたかっただけだから。返事はいらない」
勝手でごめん
そう付け足して、屋上をでていこうとした。
それを止めたのは私。
『まって!』
「なに?」
龍太は微笑んできいてくれる。
『私はっ、龍太が大好きだったよっ!』
「うん、ありがとう。俺は今でも大好き」
にっこりと笑ってくれたので、私もにっこりと返した。
『うんっ!』
「っっっ///」
そして、今度こそ龍太は屋上をでていった。

